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特選!ハイボールコラム

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2024.3.19

福岡

頂店探訪

今回歩いたのは、福岡県博多[博多の海鮮料理喜水丸]

福岡・博多

  • 地球の歩き方
  • 『北九州』プロデューサー
  • 日隈理絵
歩いた人の画像

両親ともに熊本県出身。メイン担当はハワイやアメリカ、中東だが、最近は『北九州市』の制作を担当するなど九州がばり好き。福岡には公私ともに足しげく通い、おいしいもの&おいしいお酒を探し歩く日々。

福岡と博多の間を行ったり来たり

空港は福岡空港、駅は博多駅。福岡市はあるが博多市はなく、あるのは博多区。博多ラーメン、博多人形はあるものの福岡ラーメン、福岡人形とは聞かない。博多と福岡の境界線は、博多ポートタワー近くで博多湾に注ぐ那珂川といわれる。東側が博多、西側が福岡だ。博多は古代から港を中心とした商人の町で、福岡は関ヶ原の戦い後、黒田長政が開いた城下町であり武士の町。歴史的なバックボーンが異なる福岡と博多のエリアが、市制により「福岡市」となったのは1889(明治22)年のこと。博多市にすべきという意見もあったが、新しくできる駅名を博多駅にすることで対立は収まったという。かつては福岡派と博多派の争いがあったものの、現在は、両エリアが一体となって九州随一の大都市として発展している。城跡を中心としたオフィス街の福岡と古い寺社も多い博多、それぞれの異なる歴史を思い出しつつ街歩きをしてみると、福岡・博多の魅力がさらに深まってくる。

福岡城の天守台跡から博多方面を眺める

博多の総鎮守「櫛田神社」。節分の頃に参拝すると巨大なおたふくに出合える

福岡・博多で訪れたいスポット

博多ポートタワー

JR博多駅からは、西鉄バスの博多駅西日本シティ銀行前Fより乗車し、博多ふ頭下車すぐ。地下鉄中州川端駅から那珂川沿いを歩いても20分ほどで到着する。高さ100mの博多港のシンボルであるタワーには展望室(高さ70m)があり、博多港や街並みを360度見渡すことができる。タワーの下には博多港ベイサイドミュージアムもある。いずれも入場無料。夜はタワーから夜景が眺められるのはもちろん、タワーそのもののライトアップも楽しめる。

[DATA]

住所:福岡県福岡市博多区築港本町14-1

アクセス:JR博多駅から西鉄バス乗車、博多ふ頭(ベイサイドプレイス)下車すぐ

時間:10:00~17:00

定休日:水曜(休日の場合は翌平日)

公式サイト

博多町家ふるさと館

地下鉄祇園駅から歩いて5分ほど。博多の総鎮守である櫛田神社の表参道の途中に、町家風の「展示棟」「町家棟」「みやげ処」の3つの建物が並ぶ。「展示棟」の1階は博多の歴史や文化、2階は民具や博多の伝統工芸について見学できる。「町家棟」は明治中期の町家を移築復元した建物。機織りの実演も行われている。「みやげ処」には伝統工芸品から地元の銘菓などが並ぶ。同館周辺の寺社をめぐるガイドツアーも毎日無料で実施されている。

展示棟の2階には博多の伝統工芸品が展示されている

[DATA]

住所:福岡県福岡市博多区冷泉町6-10

アクセス:JR博多駅から徒歩15分

時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)

定休日:第4月曜(祝休日の時は平日)※みやげ処は営業、12月29日~12月31日

公式サイト

福岡城

現在、舞鶴公園となっている福岡城跡。天守台までは地下鉄赤坂駅もしくは大濠公園駅から徒歩10~15分。関ヶ原の戦いの功績により、徳川家康から筑前52万石を与えられた黒田長政によって、1601(慶長6)年から7年をかけて築城された。福岡の地名は、黒田氏の故郷である備前福岡村(現、岡山県瀬戸内市)が由来といわれる。なお、すぐ近くには古代の外交施設である鴻臚館跡の展示館もあるので、こちらにもぜひ立ち寄りたい(入館無料)。

かつての城の規模を想像させる石垣が残る福岡城址。初春は梅の名所になる

鴻臚館跡。今から1300年以上も前、ここが日本の外交の最前線だった

[DATA]

住所:福岡県福岡市中央区城内

アクセス:福岡市営地下鉄赤坂駅から徒歩10分

【鴻臚館跡展示室】

時間: 9:00~17:00(入館は16:30まで)

定休日:年末年始(12月29日~1月3日)

公式サイト

博多で訪れたのはこちらの店

博多の海鮮料理喜水丸

店内には祭りの屋台を訪れているような賑やかな雰囲気が漂う

駅地下で新鮮な魚が満喫できる大人気店

「何度か来たことはありますが、ようやく入ることができました」どこか安心した表情を見せつつうれしそうに日隈がそう言った。仕事やプライベートで何度も福岡を訪ねていて、博多駅地下の博多1番街にある喜水丸も度々のぞいている日隈だが、いつも満席、表には客の行列ができていることもしばしばで、入店を断念していたという。同店は、昭和初期に創業した小さな魚屋がルーツ。現在、市内に10店舗以上を構え、どこも大人気店となっている。特に博多駅地下のこの店は朝7時30分から10時30分(LO10時)まで朝定食が提供され、その後は11時から23時(LO22時)まで営業。地の利から内外の観光客が多いが、地元の人たちにも愛されている。人気の秘密は、長浜鮮魚市場から毎日朝と昼2回仕入れている新鮮な魚介類だ。「はーい、こちらが秘伝のごまだれが決めての一品です」と、店長の弓場(ゆば)雅之助さんが日隈の前に運んできたのは「博多ゴマサバ」だった。

ハイボールを片手に弓場店長の料理へのこだわりを伺いました

丁寧に盛り付けられる自慢のゴマサバ

魚屋の目利きに納得のうまさ

日隈はゴマサバを見て「作り物みたい」と声を上げ、「とてもきれいという意味ですよ」と笑った。たれのかかったサバをひと切れ箸でつまみ「プリップリです」と感嘆。口に運ぶと満面の笑みになり目を細めた。仕入れているのは豊後水道サバ。水揚げされる港が異なると関サバのブランドとなるサバだ。コンブを入れ角が取れた醤油にそのサバを漬け、すりごまとねりごまと普通のごまを合わせた秘伝のたれをかける。ただでさえおいしいサバが複雑なゴマの風味の中、予想もしない変身を遂げている。「ぜひ、こちらも食べてみてください」喜水丸の魚のうまさを確かめてほしいと弓場さんが「銀だら味噌焼き」を持ってきてくれた。7日間味噌だれに漬けたとのことだが、「ぜんぜんしょっぱくない。むしろ、甘みが引き立っています」と日隈は驚いている。同店の魚の目利きと調理の腕前には、これだけで脱帽してしまった。

魚のおいしさを再認識する銀だら味噌焼き(1290円)

仕込みは1日16kg 自慢の明太子

喜水丸では定食を注文すると明太子が食べ放題になる。「お客様の中には、明太子が入ったテーブルの壺を3回おかわりする方もいますよ」と弓場さん。明太子は1日16kgを仕入れるという。明太子関連メニューのおすすめで出していただいたのは、名物の「いか明太」。「めちゃくちゃハイボールに合います!」と日隈が立ち上がらんばかりの勢いで絶賛している。いかと明太子は食感も味わいのバランスも絶対の安定感だ。「こちらは初めてですね」テーブルに登場した「明太子の天ぷら」に日隈は興味津々。ひと口食べると、うっとりしたように「うわーっ」とつぶやいた。外はサクサクでプチプチ感が強く、中はレアで食感もおもしろい。明太子をよく味わっている日隈にとっても、喜水丸の明太子メニューは新しい発見だったようだ。弓場さんは個人的なおすすめも教えてくれた。「明太子をごま油に浸して、大葉を足すと無限に食べられますよ」日隈はすぐに試してみるに違いない。

食べやすくするために明太子を袋から出す作業がかなりたいへん

箸が止まらなくなるいか明太子

店主おススメの頂店ハイボールのアテ!

 ※値段はすべて税込み

〈おススメ①〉

博多ゴマサバ 950円

長浜鮮魚市場に認定されている喜水丸は、刺身、焼き魚、煮物などどの魚料理も名物となっているが、なかでも「早い者勝ち」とうたわれている一品。たっぷりと脂ののったサバの濃厚な味わいが、まろやかな醤油と風味の異なるごまの複雑なハーモニーとともに楽しめる。ブランド魚の実力が再認識できる。

魚はもちろんゴマダレとの相性もすばらしい

〈おススメ②〉

いか明太 590円

新鮮ないかと明太子が絡んだメニューは文句なしのつまみの王道。たっぷりと使われている明太子は絶妙な辛さを演出しつつ、いかの甘みも引き出していて、思わず箸が止まらなくなってしまう。ハイボールや日本酒など、あらゆる酒に合うだけではなく、ご飯のお供にもうれしいオールラウンダー的存在だ。

ハイボールだけでなく、思わず白いご飯を頼みたくなる

〈おススメ③〉

明太子の天ぷら 590円

喜水丸では、一般にあまり出回らない上切れ子を使っている。これを天ぷらにするのは難しく繊細な作業。衣はできる限り薄くして、形を崩さないように、さっと1分弱揚げることで、外はサクッと中はレアに仕上げている。添えられたマヨネーズをつけると、またひと味異なる濃厚な味わいが楽しめる。

食感もしっかり楽しみたい一品だ

日隈の取材メモ

活気ある掛け声が迎えてくれ、提灯やネオンでテンションが上がる店内。魚市場から直送の海鮮は新鮮そのもので、博多名物「ゴマサバ」に触感が絶妙の「明太子の天ぷら」は「頂店ハイボール」との相性抜群です!

念願の店でいただくハイボールは格別です!

訪れた頂店

  • 博多の海鮮料理 喜水丸

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ジョッキで乾杯-左側 ジョッキで乾杯-右側 ビールの泡