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特選!ハイボールコラム

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2024.1.9

宮城

頂店探訪

今回歩いたのは、宮城県仙台 [Euro-29 SPIRAL 仙台駅前店]

宮城・仙台を歩いた人

  • 地球の歩き方
  • 編集長
  • 由良暁世
歩いた人の画像

広島県出身。ヨーロッパ方面の海外ガイドブックを担当しながら、直近では『日本のグルメ図鑑』を制作。国内外問わず、旅先では市場やスーパーマーケット巡りが欠かせません。

発展を続ける駅周辺と緑豊かな広瀬川沿い

仙台駅周辺は活気にあふれている。再開発が進む東口、多くの商業施設が立ち並ぶ西口、さらに駅からちょっと離れたエリアでも多くの新築マンションが建設中だ。タクシーの運転手さんの話では、東京から新幹線で1時間半という利便性の高さから、リモートワーカーを中心に移住者が増えているらしい。もともと都市機能の充実度は東北随一であり、今後ますます発展が見込まれている。仙台の一番の見どころは市街地の西を流れる広瀬川の周辺。仙台城跡や東北大学のキャンパスが広がる緑豊かな一帯だ。ただ見どころは離れて点在しているので、観光スポットをめぐるバス「るーぷる仙台」を利用するのが便利だ。駅西口から城跡や瑞鳳殿などを一周70分で巡っている。一日乗車券があり、地下鉄と利用できる乗車券も用意されている。城があった青葉山の麓、広瀬川のほとりには2023年夏に「青葉山公園仙臺緑彩館」がオープンした。木造りの建物の中では七夕祭りの飾りが見られ、庭には仙台博物館に置かれていた伊達政宗の胸像があり、その後方にはごく小さくだが城跡の伊達政宗騎馬像を眺望することができる。まわりには芝生の庭園が広がっている。街中のにぎわいと街中からすぐ近くの緑をゆっくりと楽しみたい。

広い歩行者用のデッキが設置されている仙台駅西口

仙台城跡から見る仙台市街地。足元に広瀬川が流れる

仙台で訪れたいスポット

仙台城跡

東北の雄、伊達藩の居城がかつて市街を見下ろす小高い丘の上にあった。その城跡が仙台有数の観光スポットだ。慶長5(1600)年、関ヶ原の戦いに際して伊達政宗が築城を始めたとされる城だが、現在建物はなく、政宗の騎馬像があるのみ。ただし本丸大広間跡の遺構表示はされている。眼下には広瀬川が流れ、その向こうにビル群が建ち並び、天気がよければ市街地の先に太平洋を眺めることができる。バスでのアクセスが一般的だが、地下鉄東西線国際センター駅を出て大手門跡からの道を歩いていくこともできる。所要約30分で結構急な坂道が続くが、巨大な石垣を目の当たりにできるので、城の規模が実感できる。

政宗公が今も仙台の市街地を見下ろしている

本丸の大広間があった場所を示す遺構。QRコードから専用アプリをダウンロードすると復元した城の姿をVR(バーチャルリアリティ)で眺めることができる

[DATA]
住所:宮城県仙台市青葉区川内1
アクセス:るーぷる仙台で仙台城跡下車すぐ
時間:見学自由
定休日:無休
[公式サイト]

仙台城見聞館

仙台城跡の一角に建つガイダンス施設。小さな建物だが、仙台城に関する情報をいろいろ知ることができる。城の立地が俯瞰して眺められる展示や絵図などをもとにして製作された50分の1の大広間の模型、最も重要な儀式や藩主との対面が行われた上段の間にあった床の間の実寸大再現など、興味深い見どころが多い。城に関するビデオ上映もされている。パンフレットには城の見どころマップもあるので、まずはここで情報収集するのがおすすめ。

城があった往時の姿がイメージできる精巧な模型

[DATA]
住所:宮城県仙台市青葉区川内1-11
アクセス:るーぷる仙台で仙台城跡下車すぐ
時間:9:00~17:00
定休日:無休
[公式サイト]

瑞鳳殿

伊達政宗の墓所である荘厳華麗な建物は2代藩主によって造営された。戦災で焼失した後、現在の建物は1979(昭和54)年に再建された。2代、3代の墓所も少し離れた場所に建っている。住宅街から坂道を上がっていくと、うっそうとした杉林が広がり、その奥に石段が続いている。左の石段が入口への道。石段の数は仙台藩の石高と同じ62段あるという。上がったところで入場券を購入し、荘厳な涅槃門の横から奥へ進むと瑞鳳殿が現れる。

杉の巨木が並ぶ瑞鳳殿への参道

派手好きだった(?)政宗に相応しい豪華絢爛たる墓所

[DATA]
住所:宮城県仙台市青葉区霊屋下23-2
アクセス:るーぷる仙台で瑞鳳殿前から徒歩7分
時間:2月1日~11月30日9:00~16:50(最終入館16:30)、12月1日~1月31日(最終入館16:00)
定休日:12月31日(1月1日は瑞鳳殿本殿のみ無料開館)
[公式サイト]

仙台で訪れたのはこちらの店

Euro-29 SPIRAL 仙台駅前店

青いモザイクタイルがなかなかおしゃれ

酒場が並ぶ路地の雰囲気も楽しみつつ

「最近は人の流れもだいぶかわってきましたね」店長の高池裕さんはそう話した。店があるのは仙台駅西口前の大通り青葉通りと、仙台を代表するにぎやかなアーケード街のひとつであるハピナ名掛丁(なかねちょう)商店街の間にある政岡通り。仙台といえば、夜の繁華街として国分町が有名だが、最近は仙台駅周辺も再開発が進み、お酒が楽しめる店も増えているという。Euro-29は10年ほど前から国分町に店を出していて、政岡通りにある駅前店を出店したのはおよそ3年前のことだ。政岡通りには居酒屋よりも、ビストロやバーなど個性的な構えをした店が多く、不思議な魅力が漂っている。Euro-29もしゃれた造りで、店内はカジュアルな感じのカウンター席やテーブル席が並び、その先奥まったところにグループで楽しめるようなスペースがある。

電源を備えたカウンターとテーブル席。ひとりや少人数でも気兼ねなく利用できる

目を引く肉料理の数々

由良の前に「ビステッカ≪牛はらみ≫」が出てきた。「とってもやわらかいです。お肉の味が凝縮しているような感じですね」由良が頬張っているビステッカとは、イタリア、フィレンツェの名物料理。ビステッカは英語ではステーキの意味だ。赤身肉をレアに仕上げたビステッカは、見ただけでもジューシーだとわかり、おいしそう。そのままでも旨いが、添えられたややビターでスパイシーなソースにつけると、がっつりとした肉の野趣が引き立てられて味わい深くなる。Euro-29の自慢は何よりも、肉。ビステッカも、店おすすめのメニュー「ニクモリ 2929」の中で、お得なグリル3種盛り合わせのひとつとして登場する(ほかは「三元豚ロース」と「紅茶鶏」)。もちろん、単品でもオーダーは可能だ。

食べ応えのある肉料理にハイボールが合う

リーズナブルな値段にも注目

続いて由良の前に並んだのは「砂肝のスパイシー揚げ」とピザの「マルゲリータ」だった。「こちらもハイボールに合いますね」砂肝を食べた由良がにっこりと笑う。自家製のブレンドスパイスのパンチある味わいは、なるほどハイボールにぴったりだ。マルゲリータも上にオリーブオイルとブラックペッパーがかかっていて、ややスパイシーな味わい。Euro-29はつまみ類やピザ、パスタなどイタリアンなメニューも充実している。そのため、がっつり食べたい人にも、つまみとお酒を楽しみたい人にも人気だ。メニューを眺めていた由良は、値段の安さにも注目していた。特にお酒類は東京よりも100~200円は安い。90分か120分を選べるワインビュッフェも店の自慢のひとつ。赤、白、スパークリング18種類が飲み放題になっている。さらに、毎月29日は120分の飲み放題のお客限定で食べ物が半額になる。「お客さん殺到しますよね」「ええ、そうですね」由良に尋ねられた店員さんは、当たり前のようにそう言ってほほえんだ。

名物のワインビュッフェ。実はワインも好きな由良はこちらにも興味津々

ヨーロッパのガイドブック担当者としていろいろ料理の話を聞きました

店主おススメの頂店ハイボールのアテ!

※値段はすべて税込み

〈おススメ①〉
ビステッカ≪牛はらみ≫   1680円

定番人気のひとつとなっている赤身肉のレアステーキ。レアではあるものの生の食感はほとんどなく、ミディアム直前の絶妙な焼き加減となっている。肉そのもののジューシーな味わいをあきることなく楽しむことができる。ボリュームもたっぷりで、つまみとしてだけではなく、ご飯類と味わうのも悪くない。

肉の旨味を存分に楽しめるシンプルな味付け

〈おススメ②〉
砂肝のスパイシー揚げ   500円

焼き鳥などでおなじみの砂肝を深みのあるスパイシーさで味わえる。ハイボールやビールにぴったりで、クセになること間違いなし。もちろん、砂肝独特の噛み応えもそこなわれることはないので、前菜としても口直しとしても、さまざまなシチュエーションで楽しめる。リーズナブルな値段なのが何よりもうれしい。

コリコリした歯応えにドリンクが進む

〈おススメ③〉
マルゲリータ   980円

トマトソースにモッツアレラ、バジルをトッピングしたシンプルイズベストな一品。ややスパイシーに仕上がっている。店では「クアトロフォルマッジ」や「鴨肉とポテトのテリマヨピッツァ」など、計5品のピザメニューを用意。ワイン飲み放題がある同店では、パスタとともにシメの定番となっている。

ピザ生地が薄いローマ風。ハイボールとの相性も悪くない

由良取材メモ

軟らかい牛ハラミやスパイシーな揚げ砂肝は「頂店ハイボール」によく合います。仙台ではつい牛タンなどの名物料理を食べがちですが、地元の人が楽しむお店で旅を締めくくるのもいいですね。駅そばなので帰りの新幹線の時間ギリギリまで飲めそうです。

店の前の通りにも席が設けられる

訪れた頂店

ジョッキで乾杯-左側 ジョッキで乾杯-右側 ビールの泡