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特選!ハイボールコラム

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2023.11.30

ハイボールの知識と技術

“頂店”の条件7 最適温1℃の冷たさで注ぐ<最適温とは?>

頂店ハイボールの条件

一つ. ジョッキは冷やす
一つ. 氷は山盛り
一つ. レモンは先に軽くしぼる
一つ. おいしいサントリーのウイスキー
一つ. 最強ガス圧の超炭酸
一つ. ウイスキーとソーダの黄金比1:4
一つ. 最適温1℃の冷たさで注ぐ

人間にとっての最適温は?

ハイボールの最適温は1℃。甘口の白ワインやスパークリングワインの適温が6~8℃、日本酒の冷酒は5~10℃が適温とされているので、かなり冷たい。その冷たさがのど越しのよさや爽やかさを作り出しているのだから、できるだけその温度で飲みたいもの。

さて液体の温度と気温とは別ものだが、人間にとっての最適温は何℃なのだろう。

「体温から10℃引いた温度が、人間が快適に過ごせる温度」という説がある。36℃の体温の人には26℃の気温が最適ということになるが、快適かどうかは温度だけでなく、湿度も関係してくるので、簡単に気温だけでは適温は決められないし、当然個人差もある。何より人が快適な温度かどうかと感じる場合、生活している場所を考えずには語れない。

このコラムの筆者が実際に体験した人に聞いた話。彼はアメリカ、アラスカ州のフェアバンクスという町に住んでいる。この町はオーロラ観賞で有名で、真冬になるとマイナス30℃を下回るような極寒の土地だ。ここでは年に何回かマイナス40℃以下に気温が下がる日があるそうだ。当然そんな日に外を歩く人間はいない。次の日は晴天になり、気温もぐんぐん上がりマイナス15℃になった。前日比プラス25℃。まぶしい日差しの下で彼が通りを歩いていると、なんとタンクトップ1枚で歩いている人に出会った。「寒くないのか?」と聞いたところ、「昨日に比べたらずいぶん暖かいよ」という答えがかえってきたという。

冬のフェアバンクスは街中を流れる川も凍り付く

東京は快適な場所か?

地球全体の平均気温は約15℃といわれる。東京の年平均気温は15.8℃なので、地球の平均とほぼ同じだ。2023年の夏、猛暑日の日数が過去最高を記録した東京は、はたして快適な場所なのだろうか。月別の平均気温の最高と最低の温度差をみると、東京の最高の8月(26.9℃)と最低の1月(5.4℃)の気温差は21.5℃。日本の主要都市の最高と最低の気温差は、札幌25.5℃、仙台22.4℃、名古屋23.4℃、大阪22.8℃、福岡21.5℃、那覇11.8℃。那覇を除けば、おおむね21~25℃くらいだ。南極を除いて世界で一番寒いといわれるロシアのオイミャコンは、最も暑い7月が15.3℃で、最も寒い1月がマイナス45.6℃。気温差は60℃を超える。一方ロンドン(最高19℃、最低6℃、気温差13℃)、パリ(最高20℃、最低4℃、気温差16℃)など気温差は大きくなく、夏はさほど暑くならず、冬も極端な寒さにはならない。とはいえ冬の間ずっと曇り空で暗く、場所にもよるが、そんな天気が半年も続く。熱帯地方では気温差はさらに小さい。シンガポール(最高29℃、最低27℃、気温差2℃)は一年中ほぼ同じ気温だ。

世界で一番寒い村、ロシアのオイミャコン

寒々しい冬のパリ

一年中緑が濃いシンガポールの街

暑くて寒い日本を愉しむ

四季折々の風景が楽しめる世界の中でも快適な土地だ

暑い夏には身体をキーンと冷やし、寒い冬は鍋料理をいっそう美味しくする。春は桜の下で、秋は紅葉の下で、自然の移ろいを愛でながら飲む。1年を通じてハイボールがうまい、日本の気候に乾杯しよう。

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ジョッキで乾杯-左側 ジョッキで乾杯-右側 ビールの泡