特選!ハイボールコラム
2024.2.9
埼玉
頂店探訪
今回歩いたのは、埼玉県越谷[串焼きこがね]
埼玉・越谷を歩いた人
- 地球の歩き方
- 部長
- 宮田崇
大学1年の時にインドに行って以来旅にはまる。コツコツ旅に出て24年、70の国と地域を訪れた。先日作った書籍で世界には244の国と地域があることを再認識し、死ぬまでにどうやって世界制覇すればよいのかが目下の悩み。
家康と阿波踊りと巨大ショッピングセンター
埼玉県南部に位置する越谷市は、東京駅や新宿駅から電車で50分ほど。市内には東西にJR武蔵線、南北に東武スカイツリーラインが走り、両路線は南越谷で交わる。南越谷駅、越谷レイクタウン駅(JR線)、新越谷駅、越谷駅、北越谷駅(東武線)と越谷がつく駅の多さに驚く。駅名にもあるとおり、越谷は日本最大級のショッピングセンターであるイオンレイクタウンがあることで有名。その他のことは何も知らずに訪ねたが、南越谷駅に隣接する新越谷駅に降り、「徳川家康ゆかりの地」と書かれた幟を目にして、また驚いた。家康は度々越谷に来て鷹狩りを楽しんだという。もうひとつ驚いたのは、阿波踊りの絵や写真、彫像などが駅前に並んでいたこと。今年8月4年ぶりに開催された第37回南越谷阿波踊りは、3日間で72万人の人出だったという。実は南越谷阿波踊りは本場徳島、東京高円寺とあわせて日本三大阿波踊りに数えられる一大イベントなのだ。その盛り上がりをぜひ見たいと思った。
越谷で訪れたいスポット
イオンレイクタウン
kaze、moriとLake Town OUTLETの3エリアから構成されている。越谷市レイクタウン駅の目の前に建つのはkaze。東埼玉道路を渡った先にmoriの建物が続き、その一番奥までは駅から約1㎞ある。3エリア合わせて600店舗以上あり、まさにひとつの街となっている。オープンは2008(平成20)年。2013(平成25)年、日本最大級のショッピングセンターであり、商業施設として埼玉県最多の集客数を誇る。
[DATA]
住所:kaze 埼玉県越谷市レイクタウン4-2-2
mori 埼玉県越谷市レイクタウン3-1-1
Lake Town OUTLET 埼玉県越谷市レイクタウン4-1-1
アクセス:JR越谷市レイクタウン駅からすぐ
時間:kaze・mori10:00~21:00、レストラン街11:00~22:00、Lake Town OUTLET10:00~20:00、レストラン11:00~20:00
※店舗により営業時間は異なる
定休日:年中無休
公式サイト
キャンベルタウン野鳥の森
北越谷駅から茨急バスに乗り、小田急弥栄(やさか)団地入口で下車し、その先の新方川(にいがたがわ)に架かる橋を渡るとすぐ左手に園内への入口がある。オーストラリアのキャンベルタウン市との姉妹都市提携10周年を記念して1995(平成7)年に開園した。園内に入るとまずエミューが現れる。その左に網で覆われたバードゲージへの入口があり、キャンベルタウン市から寄贈されたオウムやインコのほか、放し飼いの鳥も間近で見られる。
[DATA]
住所:埼玉県越谷市大字大吉272-1
アクセス:東武スカイツリーライン北越谷駅から茨急バスで小田急弥栄団地入口下車、徒歩5分
時間:9:00~16:00(入園は15:30まで)
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
公式サイト
越谷梅林公園
北越谷駅西口から鉄道の高架に沿った道を北へ進むと、宝性寺と大きく書かれた看板が見えてくる。左斜め前に続く道を歩き、宝性寺を過ぎて10分ほど先にあるコンビニを左に曲がり3分ほどで、左に梅林が現れる。約40種300本の梅が植えられていて、3月上旬には梅まつりが開催され、にぎわう。江戸時代は桃の栽培が盛んで、花見の名所として知られ、錦絵にも描かれた。昭和30年頃から桃に代わって梅の栽培が中心となった。
[DATA]
住所:埼玉県越谷市大林203-1
アクセス:東武スカイツリーライン北越谷駅から徒歩20分
定休日:無休
公式サイト
越谷で訪れたのはこちら店
串焼きこがね
都会から帰ってきた人たちのオアシス
宮田の箸が止まらない。白い皿の上には、左に輪切りの白ネギ、右に赤黒い光沢を放つ赤レバが鎮座している。赤レバをひと口味わった宮田が両肩をぴくりとさせた。今度は白ネギをのせて赤レバを頬張る。満面の笑みをたたえていることは背中越しに想像できた。「ピリ辛の味噌味がたまりませんね」そう店長の中居林永大(なかいばやしえいだい)さんに話しかける。いつもうまそうにグビクビと飲んでいるハイボールを、ひと際うまそうに喉に流し込んだ。卵の黄味が添えられたつくね串にも手が伸びる。ボリュームがあるつくねは、たっぷりのタレをまとっていて、それだけでもおいしいのに間違いはないが、惜しげもなく黄味を割り、つくねを2度3度泳がせるようにして宮田はゆっくりと口に運んだ。すべてを味わい尽くし、つくねの余韻に浸ってからひと言「王道だね」とつぶやいた。
オリジナルの味噌は「美礎」
店のカウンターやテーブルには小さな瓶が置かれている。中身は味噌。「当店自家製の特製辛味噌です」と中居林さん。メニューにも、美肌や便秘予防、コレステロールの抑制、脳の活性化、ダイエットなど味噌の効能が書かれている。文言のタイトルには「味噌」は「美礎」とある。赤レバはこの特製辛味噌を使った一品。「うちでは串焼き全般にこの辛味噌をつけて楽しんでもらっています」こがねの自慢はこの味噌だと中居林さんは話した。続いて出てきたモツ餃子にも辛味噌と酢が添えられている。そのままでもモツの旨味が存分に味わえるパンチのあるメニューだが、辛味噌をつけるとパンチとパンチの応酬のようなワイルドな食感が刺激的だ。酢で食べてみると、ややソフトな味わいになり、また違ったモツ餃子の風味を体験することができる。「えっ、そうなんですか!」中居林さんと話していた宮田が突然声をあげた。店が昼12時から朝6時までオープンしていることに驚いたのだった。昨今始発が動くまで営業を続ける店はとても貴重だ。
常連さんたちが帰ってくる店
串焼きこがね南越谷店はJR線南越谷駅の南口、または東武線新越谷駅の東口から、JR線に沿って東へ歩き3分ほどの場所にある。都心から電車で40~50分の距離にあり、JR線と東武線が交わる交通の便利さで、越谷一帯は郊外のベッドタウンとなっている。店の営業時間が長いのは、都会でひと仕事終えて帰ってきた人たちを、いつでも迎えたいという思いもあるようだ。店内には一升瓶の焼酎のボトルキープがずいぶんたくさん並んでいる。中居林によると、棚の下にもしまっているという。別の場所の系列店から最近移ってきたという中居林さん。「この店はとてもわきあいあいとした、にぎやかな雰囲気ですね」と南越谷店の印象を語った。自分の街に戻ってきた、そんなほっとした気持ちに常連さんたちはなるに違いない。「おかえりなさい」といっているような明るい笑顔で店員さんたちもお客を迎えている。
店主おススメの頂店ハイボールのアテ!
※値段はすべて税込み
〈おススメ①〉
つくね串 275円
鶏ナンコツとユズの香りが決め手となっている自家製つくね。タレと添えられた卵の黄味のコンビネーションがたまらない。濃厚な味わいの中にも、ふわりとしたユズの香りが漂い、つくねそのものには爽やかな口当たりも感じられる。見た目よりもボリューム感があり、一本だけでもなかなかの満足感だ。
〈おススメ②〉
赤レバ 528円
オリジナルの辛味噌で仕上げたレバーは、インパクトのあるピリ辛の味わいでクセになってしまう。リピーター客の多い人気メニューであることにも納得できる逸品だ。そのままで食べても満喫できるし、白ネギを山盛りにのせて食べるのもダイナミック。テーブルの辛味噌を足してみるのもありかも。
〈おススメ③〉
モツ餃子 418円
博多モツ鍋などモツのメニューも充実しているこがね。餡にモツとにんにくをたっぷり入れたモツ餃子は、そのままでも味わい豊か。にんにくがっつりとメニューでうたっているものの、ニンニクとモツの相性が抜群のためか、両者が一体となった濃厚な旨みが味わえる。辛味噌と酢が添えられている。
宮田の取材メモ
赤レバは秀逸としか言いようがない見事な味わいでした。つくね串は王道そのもの。モツ餃子もインパクトのある絶妙なメニュー。どれも、これまで以上にハイボールとの相性がよく、今回はまだ飲み足りないと感じたほどでした。
訪れた頂店
- 串焼き こがね
頂店情報を見る