このサイトはお酒に関する内容を含んでいます。

あなたは20歳以上ですか?

特選!ハイボールコラム

アイキャッチ画像

2023.11.30

愛知

頂店探訪

今回歩いたのは、名古屋栄[立呑み 焼きとん 大黒 住吉店]

名古屋・栄を歩いた人

  • 『愛知』プロデューサー 
  • 由良暁世
歩いた人の画像

地球の歩き方編集室歴20年以上。強靭な胃袋をもち、海外版ではフランス、イタリアなどグルメなエリアを担当。食べることが大好きで、地元ならではのおいしいものとユニークな体験を求めて西へ東へ。

 

エネルギッシュな名古屋の中心街

名古屋駅から地下鉄東山線に乗って5分ほど。地下鉄の栄駅の周囲には、地下街が縦横に続く。栄は名古屋市の中心街として、オフィスや飲食店、デパートが集まっている。地上に出ると「テレビ塔」が目に入った。「スポット紹介」にあるように「MIRAI TOWER」と改称してリニューアルオープンしている。塔が建つ久屋大通は幅が100mある通りとして有名だ。道路に挟まれた中央部分は公園エリア。「MIRAI TOWER」の近くは、ショップや飲食店が並ぶ。塔を背に戻り、東山線の上に続く錦通を渡ると、噴水がありまわりには休憩する人たちの姿が見られた。通りの右側にはデパートやショップ、飲食店が多い。こちらが栄で最もにぎわうエリア。昼はショッピング客、夜は数多くの飲み屋へと繰り出す人たちで混雑する。最近は名古屋駅周辺の開発が進み注目されているが、栄は昔から続く名古屋の中心街。みなぎるエネルギーを感じながら、街を歩こう。

栄エリアのシンボルがMIRAI TOWER

がらっと雰囲気が変わる夜の栄

名古屋栄で訪れたいスポット

中部電力MIRAI TOWER(旧・名古屋テレビ塔)

名古屋のメインストリートである久屋大通のほぼ中心に建つ。完成は1954(昭和29)年。地上180mの鉄塔は銀色の渋い姿が印象的だ。地上90mに屋内、100mには屋外の展望台があり、眼下には緑豊かな久屋大通や栄の街並みが眺められ、反対側には小さく名古屋城も見える。1年間の大規模改修工事を終え、2020年にグランドオープンした塔は、その翌年、現在の新名称となった。4、5階はホテルとして開業している。

国の登録文化財に指定されている歴史ある建物

タワーの展望台から名古屋駅方面を望む

[DATA]
住所:愛知県名古屋市中区錦3-6-15
アクセス:名古屋市営地下鉄東山線・名城線栄駅から徒歩3分、名古屋市営地下鉄東山線・名城線久屋大通駅からすぐ
時間:10:00~21:00
定休日:無休
[公式サイト]

名古屋市科学館

地下鉄東山線・鶴舞線伏見駅から5分ほど歩くと、建物から突き出た球体が目に飛び込んでくる。世界一の大きさでギネスの世界記録にも認定されているプラネタリウムだ。2011年に改築整備を終えてグランドオープンし、館内は天文館、理工館、生命館という3館から構成されている。プラネタリウムのほか、マイナス30度のなか投影されたオーロラが楽しめる極寒ラボ、高さ約9mの人工竜巻を発生させられる竜巻ラボなどが人気の見どころだ。

巨大な球体が目を引く

[DATA]
住所:愛知県名古屋市中区栄2-17-1
アクセス:名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線伏見駅から徒歩5分
時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)
定休日:月曜、第3金曜、年末年始ほか
[公式サイト]

名古屋市美術館

1988年にオープンした名古屋市美術館は、地元出身の建築家・黒川紀章(1934-2007)が設計。西欧と日本の文化の共生が建物のテーマで、館内のデザインも興味深い。3階まで吹き抜けとなったロビーは心地好く、随所で自然光が効果的に取り入れられているのが印象的。収蔵作品は「郷土の美術」から出発し、「エコール・ド・パリ(パリ派)」「メキシコ・ルネサンス」「現代の美術」をテーマにコレクションされている。

名古屋市科学館に隣接。建物のデザインにも注目

[DATA]
住所:愛知県名古屋市中区栄2-17-25白川公園内
アクセス:名古屋市営地下鉄東山線・鶴舞線伏見駅から徒歩8分
時間:9:30~17:00
定休日:月曜、展示替期間、年末年始

名古屋栄で訪れたのたのはこちらの店

立呑み 焼きとん 大黒住吉店

開店早々にお客さんでいっぱいになる人気店

名古屋で立呑みの店と言えば、ここ!!

メニュー看板が壁にびっしり貼られた「大黒住吉店」の店構えは、なかなか派手でユニーク。だが、店内はこげ茶色のカウンターが厨房を囲んでいて、レトロで渋い印象だ。このカウンターの足元にはゆったりとしたスペースの荷物置き場も設けられていて、客への気づかいが感じられる。午後4時の開店と同時に客が入り始め、「いらっしゃいませー」の元気な声が響き渡る。ふだんはワイン派だという由良は、テーブルに運ばれたハイボールのメガジョッキの重さにびっくりして「どれだけ飲めるかしら……」と心配している。こちらは店名にもあるように、焼きとんが定番の店。ほほ、のどぶえ、テッポウ(小腸)など、珍しい串焼きとハイボールの相性の良さにしきりと感心している由良は、「味噌がしみ込んだテッポウはハイボールが進みますね」と上機嫌でジョッキを傾けた。いかにも名古屋らしい味に思えるが、実は名古屋で焼きとんは珍しいという。

目の前で焼き上げる串焼き。香りだけでもハイボールがいけそう

名古屋で立呑みと焼きとんを開拓するなら

「名古屋で立呑み、名古屋で焼きとん、と言えば大黒。そんな店を目指しています!」串焼きを焼きながら、店長の深堀友美さんがそう話す。大黒は愛知県を中心に東京都にも数多くの支店を構えていて、住吉店はその中心的存在。だが開店当初の15年ほど前は、名古屋では立呑みの店や、豚や牛のもつを提供する焼きとんの店は流行らないと言われていたらしい。大黒はその“常識”を打ち破り、快進撃を続けてきたわけだ。大黒は、もともと焼肉店をしていて肉への目利きに定評があったために、名古屋のお客に受け入れられたといわれる。だが、店長はじめ店員全員が「焼き師」として串を焼くテクニックを持っていること、そして店員の明るく元気で心のこもったサービスが店の人気の理由であることは、店を訪ねて間もなくわかった。由良も笑顔で店長さんや常連さんたちと言葉を交わしている。

台湾肉巻き串と味噌味おでん

「名古屋ならではのおススメはありますか?」「こちらは創作串でハイボールにぴったりですよ」店長の深堀さんが出してくれた「台湾肉巻き串」は、ボリュームたっぷりで、なかなかの辛さだ。続いてのおススメは、おでん。味噌で煮込まれていて、大根は黒々としている。半信半疑の様子で一口食べた由良。すぐに笑顔がはじけた。出汁で煮込んだおでんに味噌をつけて食べることは家庭ではよくあるが、味噌で煮込むのは難しくて家ではできないと常連さんが教えてくれた。味噌味なのにあっさりとしたおでんを、由良はゆっくりと味わっている。それにしても平日の午後5時前、いつの間にか店内はたくさんの客がいて、注文の度に「ありがとうございまーす」の声が飛び交っている。由良はメガジョッキを飲み干して、ちょっと恥ずかしそうに笑っていた。

明るい店で料理もお酒もすすむ

店主おススメの頂店ハイボールのアテ!

 ※値段はすべて税込み

〈おススメ①〉
台湾肉巻き串  242円

名古屋のB級グルメとして有名な台湾ラーメンの具を串にしたという珍しい一品。ニラなどの野菜が肉で巻かれ、特製のピリ辛ミンチがたっぷりとかけられている。ガツンとくる辛さと旨さはハイボールによく合う。台湾ラーメンを食べているような気分にもなれる、ちょっと不思議な創作料理だ。

〈おススメ②〉
おでん おまかせ3種盛り   495円

味噌で煮込まれた名古屋ならではの味。見た目では濃い味を想像するが、しっかりした味噌味でありつつ、あっさりとした食べ応え。真っ黒な大根の旨さは、ここのおでんの醍醐味と言える。ほかに、どて串、ちくわ、こんにゃく、ソーセージがあり、おでん1本は各176円で味わうことができる。

〈おススメ③〉
焼きとん串焼き5本盛り   715円

右から、ほほ(頬肉。単品176円、以下同)、たん(舌。176円)、のどぶえ(喉仏。209円)、がつ芯(上質胃。209円)、てっぽう(小腸。110円)。どれもクセがなく、個性的なおいしさが堪能できる。塩かタレかは店員さんにお任せするのもいい。もちろん、この5本は焼きとんメニューのほんの一部だ。

由良取材メモ

おいしくてお値打ち、店員さんの明るさにも元気をもらえるお店です。串焼きと「頂店ハイボール」の相性のよさは言わずもがなですが、味噌おでんとも合う!「ればテキ」も絶品なのでぜひお試しを。

訪れた頂店

  • 立呑み 焼きとん 大黒 住吉店

頂店情報を見る

ジョッキで乾杯-左側 ジョッキで乾杯-右側 ビールの泡