特選!ハイボールコラム
2023.11.30
ハイボールの知識と技術
“頂店”の条件6 ウイスキーとソーダの黄金比1:4<黄金比の建造物>
頂店ハイボールの条件
一つ. ジョッキは冷やす
一つ. 氷は山盛り
一つ. レモンは先に軽くしぼる
一つ. おいしいサントリーのウイスキー
一つ. 最強ガス圧の超炭酸
一つ. ウイスキーとソーダの黄金比1:4
一つ. 最適温1℃の冷たさで注ぐ
安定を求めるなら黄金比
ロック、ストレート、水割り、お湯割り……、ハイボールだけではなく、ウイスキーの飲み方はいろいろ。TPOやウイスキーの種類によって飲み方を変えれば、ウイスキーの楽しみ方は無限大だ。頂店ハイボールについては、ウイスキーとソーダの比率は1:4。それが最もバランスのいい比率ハイボールの「黄金比」である。
世界を旅していろいろな建造物を見たとき、どっしり安定して見えるのか、それとも不安定に見えるのかで印象はだいぶ違ったものになる。不安定に見える要因はいろいろあるが、安定して見えるものには共通項がある。それが黄金比だ。人が見て最も美しいと感じる比率は1:1.6(約5:8)といわれていて、世界中の著名な建造物が、この比率に合致する。
世界の黄金比の建造物
パリの凱旋門、バルセロナのサクラダ・ファミリア、ロンドンにあるセントポール大聖堂などなど、場所は違えども、黄金比で建てられたものは枚挙にいとまがない。それらの建物の前に立てば、そのファサードに安定感を感じるはずだ。
この安定感を感じるか否か、実際の建物で比較できるおもしろい例がある。
インドにある世界遺産タージ・マハル。この壮大な建築物はムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、愛妃ムムターズ・マハルのために建てた霊廟だ。白亜の大理石で造られた荘厳さと圧倒的な重量感を備えた人類の宝だ。完璧な左右対称のファサードで、建物全体を引いた見た姿から、ドームやアーチ部分に至るまで、様々なところで黄金比が用いられていて、その美しさは唯一無二。実はこのタージ・マハルとそっくりな建物がインドにある。シャー・ジャハーンの三男で後にムガル帝国第6第代皇帝となるアウラングゼーブが、自らの名前を付けた町アウランガーバードに建てた「ビービー・カー・マクバラー」だ。これも亡くなった妃のために建てた霊廟だが、これがタージ・マハルそっくり。ところがふたつの建物を対比すると(予算がなかったとはいえ)、黄金比でない後者の建物は明らかに安定感が違う。
黄金比のチャンピオンはピラミッド
建物だといろいろ装飾が施されているので、その比率はなかなか意識できない。その点エジプトのピラミッドは、すべて直線で構成されているため、その美しい比率を心ゆくまで楽しむ(?)ことができる。最も有名なカイロにあるギザのピラミッドの最大のもの(クフ王のピラミッド)は、高さ約146m(建設同時)で、基壇の1辺が約230m。1:1.6という黄金比にほぼ一致している。かつてこのピラミッド全体が真っ白な化粧石で覆われていたという。それは想像を絶する美しさだっただろう。
黄金比のハイボールを飲みながら、はるか4000年以上も昔に人の手だけで驚くべき巨大構造物を造り上げた人々と白く輝くピラミッドの黄金比の美しさを想像してみよう。
インド、エジプトを旅しよう、という人には以下の読み物がおススメ
地球の歩き方 ガイドブック D28 インド 2024〜2025年版
https://www.arukikata.co.jp/web/directory/item/101083/
地球の歩き方 ガイドブック E02 エジプト 2021〜2022年版