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特選!ハイボールコラム

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2023.11.30

東京

頂店探訪

今回歩いたのは東京都秋葉原[串吟]

東京・秋葉原を歩いた人

  • 地球の歩き方
  • 部長
  • 宮田崇
歩いた人の画像

横浜市臨海学区出身。2001年新卒で入社し、営業を経て翌年編集室に配属。2017年、編集長に就任。これまで72の国と地域を訪問し、好きな国はインドだと思われている 。

 

昔も今も、つねに時代の最先端

世界的にもサブカルの聖地として知られる秋葉原は、歴史を紐解くと、江戸時代から文化の最先端の地であった。街を流れる神田川は神田上水の下流で、江戸時代初期に開削を行ったのはかの伊達政宗公。秋葉原周辺では、当時最先端の土木工事が行われていた。水運で栄えたこのエリアは一方で、人口が多いが故、火災の多発地帯でもあった。「火事と喧嘩は江戸の華」というが、そうした意味でも最先端(?)の地だったわけだ。1912(明治45)年に現在の中央線の起点となる万世橋駅が現在の万世橋近くに開設され、1927(昭和2)年には日本で最初の地下鉄である東京メトロ銀座線が秋葉原の地下を通過し営業を開始した。終戦後、周辺の電気機器関係の露天商が秋葉原駅のガード下へ移され電気街が始まり、その後もパソコンやマルチメディア、さらにゲームやアニメ、サブカルチャーの発信地として進化を続けている。そんな今の景色もおもしろいが、かつての最先端の歴史を探しながら街を歩くのもこの街ならではの醍醐味だ。

街は世界各国の人たちで賑わっている

秋葉原で訪れたいスポット

神田明神

秋葉原駅から徒歩10分。商売繁盛や縁結びの御利益で知られる、都心108町会の総氏神様。奈良時代初期の730(天平2)年、現在の千代田区大手町に創建されたとされる。戦国武将たちに崇敬され、徳川家康も関ヶ原の戦いに際し祈祷を行い勝利。1616(元和2)年、江戸城の表鬼門守護の場所である現在の地に遷座され、幕府により社殿が造営された。以後、「江戸総鎮守」として信仰されている。ここの祭礼「神田祭り」は江戸三大祭のひとつだ。また、商売の神様「えびす様」が祀られていることから、特に仕事始めの正月4日に経営者やビジネスパーソンなどが初詣に訪れ、商売繁盛を祈願することでも有名だ。2018年には神田明神文化交流館「EDOCCO」がオープン。お守りやさまざまなグッズが購入できるほか、カフェ施設も併設されている。

1年中参拝客が絶えない神田明神

秋葉原に近くアニメの舞台にもなっている

[DATA]
住所:東京都千代田区外神田2丁目16-2
アクセス:JR御茶ノ水駅から徒歩5分、JR秋葉原駅から徒歩7分
時間:24時間(参拝自由)
定休日:無休
[公式サイト]

秋葉原電気街

終戦直後、神田駅周辺に集まっていた電気機器の露天商が、GHQにより秋葉原駅のガード下へ移されたのが電気街の始まりとされる。その後、電化製品などを扱う店が増加。さらにパソコンなどマルチメディア関連の専門店、ゲームやアニメなどを扱う店舗も増えていった。1990(平成2)年、青果市場の跡地に「秋葉原クロスフィールド」として、オフィスやレストラン街、文化施設が集結する高層ビルが建設され、近年はビジネス街としての顔も見せている。

いまや日本を代表する観光地となった秋葉原

[DATA]
住所:東京都千代田区外神田
アクセス:JR秋葉原駅から徒歩1分
時間:店舗による
[公式サイト]

両国国技館

秋葉原駅から総武線で千葉方面へ2つ目の両国駅駅前にある。大相撲が開催されたのは1985(昭和60)年1月場所から。本場所開催中しか入れないイメージがあるかもしれないが、国技館常設売店、化粧まわしや番付など相撲の歴史などが展示されている相撲博物館は無料で利用、見学することができる(利用可能日、時間はホームページ等で要確認)。本場所中とはまたまったく異なる雰囲気が感じられ、混雑していることもないので、買い物や見学を楽しみながら、国技館の建物もゆっくりと眺めたい。なお、隣にある「江戸東京博物館」は大規模改修工事のため2025年まで工事で閉館中だ。

さまざまなイベント会場としても利用される

[DATA]
住所:東京都墨田区横網1丁目3-28
アクセス:JR秋葉原駅からJR総武線で4分の両国駅下車徒歩1分
[公式サイト]

秋葉原で訪れたのはこちらの店

立ち呑み串吟 本店

カウンターから焼き台を注目する宮田

元気な声に迎えられ、信玄どりを満喫

JR秋葉原駅中央改札口を出て南に進んですぐのところ。駅前南通り沿いの新幹線のガードを斜め上に見上げる場所に、大樽のテーブルを店先に出した「立ち呑み串吟 本店」がある。開店間もない店に入ると、「いらっしゃいませー」の威勢の良い声。ありがちな単なる“かけ声”ではなく、心のこもった歓迎の挨拶であることが感じられる。「何よりも、明るい接客がスタッフ一同のモットーです」と遠藤雄斗店長。焼き台を間近に見られるカウンターの後ろに大樽のテーブルが3つ並ぶ店内は、スタッフや客との距離感が近い。アットホームで活気のある店の雰囲気に、宮田の表情もほころぶ。まず大ジョッキのハイボールとおススメのつまみを注文した編集長の前に「まずは、ぜひこれを味わってみてください」という威勢のいい言葉とともに置かれたのは「鶏わさ」だ。

大ジョッキのハイボールは一番人気だ

店自慢の信玄どりを心ゆくまで

まずは、そのまま味わう宮田。「うん」とひとり納得し、続いてワサビを少々のせ、醤油に端をちょっとつけて口に運んだ。眼鏡の奥の目が見開き、無言のまま満足そうに何度も頷いている。その表情は「鶏わさ」の旨さを饒舌に語っていた。「串吟」で提供されている「信玄どり」は南アルプスや富士山麓、八ケ岳周辺など、山梨、長野、静岡に限定した農場で飼育しているブランド鶏肉。毎日直送され、朝引きされている。「信玄どり鶏わさ」は、ほど良い弾力が感じられるやわらかさで、味は濃いのにさっぱりとしている。さらに「こちらがおすすめの『名物! 極上レバー』です」と店長。炭火でレアに焼き上げたレバーをごま油と岩塩でレバ刺しのようにいただくこのメニューは「信玄どり」の旨みが最も堪能できる逸品だ。

「鶏わさ」の想像以上の旨さに驚く宮田

常連さんと歓談しつつ

30分ほど「頂店ハイボール」と「信玄どり」を楽しんでいると、常連さんらしきお客がやってきた。「どうも! こんにちは、トモさん」とあいさつする店長に「よっ!」と右手をあげた。談笑しつつ、まずは生ビールを1杯。続いてハイボールと夏場に人気の「牛すじ塩煮込み」を注文した。宮田が話しかけると、「常連じゃないよ」とはにかみつつ、「ここはスタッフが元気で気持ちがいい。もちろん、出てくる料理もうまいものばかりだしね」とつけ加えた。「信玄どり」の味わいについてや「頂店ハイボール」のキレや料理との相性の良さから、まだまだ暑い天気について話に花が咲く。「串吟」はスタイルの異なる姉妹店が近くに2店舗あるということも教えてもらった。ほろ酔い気分になったところで常連さんにあいさつし、宮田は店を後にした。新しいお客がまたやってきた。店内には「いらっしゃいませー」の元気な声が響いていた。

1本1本丁寧に焼いていく様子を眺める

店主おススメの頂店ハイボールのアテ!

※値段はすべて税込み

〈おススメ①〉
信玄どり 鶏わさ 540円

「串吟」で開店当初から扱っている「信玄どり」がシンプルに味わえる逸品。まずは何もつけずにそのまま試していただきたい。なぜ店がこのブランドにこだわっているのかが納得できるに違いない。わさびや醤油とともに食べると、もちろん鶏の旨さは格段に広がり、箸が止まらなくなる。“アテ”のスタートに最適。

〈おススメ②〉
焼とり (左から)砂肝210円、せせり230円、ねぎ間250円、はつ210円

「信玄どり」のバラエティー豊かな味わいが楽しめる。何を選ぶかは、もちろんお好み次第だが、単なるやわらかさではなく、「ふくよかな」と言いたくなる食感がすべてに共通している。コリコリとした歯ごたえがある砂肝も「ふくよか」に感じられるから不思議。店長の絶妙な焼き加減を称賛したくなる。

〈おススメ③〉
名物! 極上レバー 150円

一人2本までの数量限定であることが恨めしく思えてしまう。しっかりとした食べごたえがあるのに口の中でとろけるかのようで、ごま油と岩塩がレバーの甘みを引き立ててくる。今まで食べていた焼き鳥のレバーを思い起こして、その違いに愕然としてしまう。大げさな感想でないことは食べれば納得のはずだ。

宮田取材メモ

店員のみなさんが元気なので、飲んでいて楽しくなる店の雰囲気が好きですね。プライベートでも妻と通っています。料理では、特にレバーや鳥刺しが新鮮でおいしく、「頂店ハイボール」によく合います。

訪れた頂店

ジョッキで乾杯-左側 ジョッキで乾杯-右側 ビールの泡