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特選!ハイボールコラム

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2023.11.30

ハイボールの知識と技術

“頂店”の条件4 おいしいサントリーの<ウイスキー>

頂店ハイボールの条件

一つ. ジョッキは冷やす
一つ. 氷は山盛り
一つ. レモンは先に軽くしぼる
一つ. おいしいサントリーのウイスキー
一つ. 最強ガス圧の超炭酸
一つ. ウイスキーとソーダの黄金比1:4
一つ. 最適温1℃の冷たさで注ぐ

個性豊かなウイスキーの世界

キンキンに冷えたジョッキ、レモンツイスト、山盛りの氷ときたら、いよいよ美しい琥珀色の液体をジョッキにそそぐ番。ウイスキーは世界中で愛飲されている蒸溜酒の代表格。今回は少し趣向を変えて今さら聞けないお酒の基本的な知識をおさらいしておこう。

アルコールを含む飲み物は大きく「醸造酒」と「蒸溜酒」のふたつに分けられる。単純に説明すれば、醸造酒は酵母が糖を分解して、エタノール(アルコール)と二酸化炭素を生成する「アルコール発酵」した液体。日本酒、ワイン、ビールなどはこの醸造酒だ。そして、蒸留酒は醸造したアルコールを含む液体を蒸発させてアルコール分を濃縮したものになる。ウイスキー、焼酎、ウォッカ、ブランデーなどが蒸留酒にあたる。

ウイスキーに絞ってもう少し説明すると、ウイスキーも基本的にふたつに分けられる。「モルトウイスキー」と「グレーンウイスキー」だ。これは原料の違いによる。モルトウイスキーは大麦のみを使用したもので、グレーンウイスキーはトウモロコシや小麦など、大麦以外の穀物も材料にしているもの。ちまたでよく聞く「シングルモルトウイスキー」というのは、単一の蒸溜所(シングル)で造られた、大麦のみを材料として(モルトウイスキー)いるウイスキーを指す。

世界5大ウイスキー

ウイスキーは世界中で造られているが、その歴史と世界的な評価において、5つの地域を「世界5大ウイスキー」の生産地として別格扱いされている。それぞれの特徴をみていこう。

スコッチウイスキー

「5つの国」ではなく「5つの地域」と書いたのは、世界で最も知られるウイスキーの産地が対外的には独立国ではないから。スコットランドはイギリス(正しくはグレートブリテン及び北アイルランド連合王国)を構成する4つの国のひとつ。北海道ほどの面積のところに大小あわせて140以上の蒸溜所があり、地域ごとに特色のあるウイスキーを製造している。「シングルモルト」と聞くと、スコッチウイスキーの代名詞のように思われるが、もちろんそれだけではなく、ここではグレーンウイスキーも造られているし、異なる蒸溜所の原酒をブレンドして造られたブレンドウイスキーもある。あらゆるウイスキーを造っている、まさに世界のウイスキー生産の中心。

シングルモルトが人気のボウモア蒸溜所。付近にあるB&Bなどに泊まり一度は見学したい

アイリッシュウイスキー

アイルランド(イギリス領である北アイルランドも含む)で生産された大麦や穀物を原料に造られたウイスキー。ウイスキーの発祥地(スコットランド発祥という説も)であり、12世紀にはウイスキーの製造が始まっていたといわれる。現在40以上の蒸溜所があり、モルト(麦芽)と発芽前の大麦を原料にした「シングルポットスティル」という種類のウイスキーがあるのが特徴。

アイルランドを代表するタラモア蒸溜所

アメリカンウイスキー

アメリカでウイスキーの製造が始まったのは17世紀。上記スコットランドやアイルランドからの移民がウイスキー製造のノウハウを新大陸に持ち込んだといわれている。ただし原料は新大陸で生産されるものを使ったため、おのずと異なる進化を経て今日に至っている。特徴はトウモロコシを主原料とした「バーボンウイスキー」が主流であること。特に蒸溜所の多いケンタッキー州で製造されたものは「ケンタッキーバーボン」とも呼ばれる。

日本でもお馴染み、ジム・ビーム蒸溜所の前に立つ創設者のジェームス・ビーム氏の銅像

カナディアンウイスキー

カナダもアメリカ同様ヨーロッパからの移民によりウイスキーの製造法が持ち込まれたが、アメリカ独立戦争後にイギリス系の移民たちが大挙してカナダにやってきたことで、穀物の生産が増え、ウイスキー製造も盛んになったといわれる。冷涼な気候にあるため、カナダでは寒さに強いライ麦の生産が多く、カナディアンウイスキーも初期の頃はライ麦をおもな原料としていた。その後トウモロコシや小麦など、他の穀物も加え進化してきた。1920~1933年に施行されたアメリカの禁酒法の時代、カナダのウイスキーが大量にアメリカに密輸されたが、この時期にカナディアンウイスキーの品質も向上して、その後世界に認められるウイスキーとなった。

ジャパニーズウイスキー

他の国と比べると歴史は浅く、日本で本格的な醸造所ができたのは1923(大正12)年のこと。京都の南、山崎の地に寿屋山崎工場(現サントリー山崎蒸溜所)が建設された。本場スコットランドの技術が導入され、モルトウイスキーの製造がスタートした。戦前はさほど消費量が増えなかったが、原酒の貯蔵量も増えるとともに、熟成された原酒も揃うようになった。日本には元々酒造りの長い伝統と技術があったことも理由なのだろう、戦後になると高品質のウイスキーが続々と登場し、現在は世界的な品評会で高評価を受けるウイスキーも多数誕生。ジャパニーズウイスキーの愛好家は世界中に広く存在している。

サントリー山崎蒸溜所

ウイスキーをもっと知りたい、という人には以下の読み物がおススメ

地球の歩き方 旅の図鑑 W27 世界のお酒図鑑 112の国と地域の地酒を酒の雑学・お約束とともに解説

https://www.arukikata.co.jp/web/directory/item/105564/

ジョッキで乾杯-左側 ジョッキで乾杯-右側 ビールの泡