このサイトはお酒に関する内容を含んでいます。

あなたは20歳以上ですか?

特選!ハイボールコラム

アイキャッチ画像

2023.11.30

ハイボールの知識と技術

“頂店”の条件5 最強ガス圧の超炭酸<イエローストーン>

頂店ハイボールの条件

一つ. ジョッキは冷やす
一つ. 氷は山盛り
一つ. レモンは先に軽くしぼる
一つ. おいしいサントリーのウイスキー
一つ. 最強ガス圧の超炭酸
一つ. ウイスキーとソーダの黄金比1:4
一つ. 最適温1℃の冷たさで注ぐ

旅先で聞く異国の音

ハイボールを飲む楽しみは、味や香りやのど越しだけではない。炭酸ガスが弾ける心地いいあの音も楽しみのひとつ。

日常と違う風景を見るのはもちろん、行った先で聞こえてくる音も旅の醍醐味のひとつだ。ヨーロッパの街で聞く教会の鐘の音、イスラム圏で早朝の街に流れるアザーン(礼拝への呼びかけ)、アメリカの都市の雑踏、パトカーのサイレンも日本とは違っていて、時に目に見える風景以上に異国にいることを実感させる。街から離れてもそれは同じで、風の音、波の音、川や滝の水音も、どことなく日本と違って聞こえる気がする。

大地の音を聞け

自然が発する音のなかでも特殊なもののひとつに間欠泉が発する音がある。炸裂音というか、噴出音というか、強炭酸のボトルを開けた時に出るあの音が近い。間欠泉とは地下の水蒸気や熱水が一定の周期で吹き出す温泉のこと。世界中の温泉地帯で観察することができる自然現象だ。当然世界有数の火山国である日本でも各地で見ることができ、観光スポットになっているところもある。自然現象なのでいつ見られるかわからないところも多く、またかつては自噴していたものがパワーを失ってしまったためにポンプを使って温泉を吹き出すようにしているところもあったりする。そこへいくと海外には星が3つ付きそうな間欠泉がいくつもある。

北大西洋の島国アイスランドは日本と同じ火山国。ここにある間欠泉ゲイシール(Geysir)は、英語の間欠泉”Geyser”の語源となっている場所だ。このエリアに大小いくつもの間欠泉があり、最大のものは6~7分間隔で熱水を約20mも吹き上げる。

アイスランド、ゲイシール間欠泉

ニュージーランド北島にある温泉地ロトルア周辺にある間欠泉もなかなかのスポットで、特に「ポフツ間欠泉Pohutu Geyser」は、最大30mもの高さに吹き出す間欠泉を多いときには1日20回も見ることができる。この近くには、かつて400m以上の高さに泉が噴き出した記録がある「ワイマング」と呼ばれた間欠泉があったそうだが、現在では残念ながら見ることはできない。

ぜひとも訪れたい間欠泉の聖地

そんな「間欠泉観光」の真打は、なんといってもアメリカ北西部にあるイエローストーン国立公園だ。世界で初めての国立公園に制定されたこの土地は、エリア全体が巨大な火山。(今のところその心配はないそうだが)噴火すれば北米大陸が廃墟になると言われるほどのパワーを秘めている。東京都の約4倍という広大な公園内では、1万か所以上で熱水現象が観測されていて、間欠泉の数はなんと500以上! 現在高さ世界一、100m以上熱水が吹きあがるとされるスチームボート間欠泉Steamboat Geyserがある。ただこの噴出はいつ起こるかわからない。観光スポットとして世界で一番有名な間欠泉オールド・フェイスフル間欠泉Old Faithful Geyserが公園一番のハイライトだ。日本語に訳せば「昔から律儀な間欠泉」。平均約90分の間隔で、30~50mの高さに熱水が吹き上げられる現象が1~5分続く。これが1870年に発見されてから(もちろんそれ以前も人知れず)今日まで変わることなく延々と続いているのだ。次の噴出予想時刻が告知される間欠泉は、世界でもかなりレアな存在と言える。

イエローストーン国立公園にはこんな温泉もある

時間になると見物人が集まるオールド・フェイスフル間欠泉

ハイボールの“シュワシュワ”という音を聞いたら、律儀に一定間隔で熱水を吹き上げる間欠泉の存在を思い浮かべてみよう。

イエローストーン国立公園を旅しよう、という人には以下の読み物がおススメ

地球の歩き方 ガイドブック B13 アメリカの国立公園 2024年〜2025年版

https://www.arukikata.co.jp/web/directory/item/100921/

ジョッキで乾杯-左側 ジョッキで乾杯-右側 ビールの泡