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特選!ハイボールコラム

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2023.12.18

静岡

頂店探訪

今回歩いたのは、静岡県浜松[チキート浜松店]

静岡・浜松を歩いた人

  • 地球の歩き方
  • プロデューサー
  • 池内宏昭
歩いた人の画像

大阪府出身。少年時代を中南米で過ごすも、サッカーはからきし下手な残念男。およそ「酒」と名のつく飲み物なら何でも口にするが、特に焼酎やウイスキーなどの蒸留酒を好む。プロレス・格闘技ファン。

 

メロディーが聴こえる遠州の中心地

新幹線のホームを降りて行くと、ピアノの音色が聴こえてきた。改札手前の一角に置かれたグランドピアノを男性がダイナミックに弾いていた。通路を挟んだ反対側には、キーボードが置かれたブースもある。浜松がヤマハやカワイなどの楽器メーカーが集まる音楽の街であることを思い出した。駅北口を出ると、右手に茶色の高層ビルがそびえている。高さ約213mのアクトシティ浜松という静岡県で一番高いビルだ。

左のオレンジのビルがアクトシティ浜松

浜松市の人口は、県庁所在地の静岡市を10万人ほど上回る約78万人(2023年9月現在)で県内最多。遠州と呼ばれる県西部の中心地だ。JR駅前を少し歩き、内陸へと路線が続く遠州鉄道のガード下をくぐって5分弱進むと国道257号線に出る。この道は旧東海道。かつて浜松宿には、東海道で箱根とともに最も多い6軒の本陣があったという。浜松は江戸時代から重要な街のひとつだった。この国道を10分ほど北上すると浜松城が見えてくる。

浜松城公園。石垣の上に浜松城の天守閣が見える

浜松で訪れたいスポット

浜松城公園

浜松城の北に広がる公園。JR浜松駅からは車で10分ほど、歩くと20~30分の距離に位置する。浜松随一の桜の名所としても知られる。浜松城は数々の武将が城主となったが、やはり最も有名なのは徳川家康だ。1570(元亀元)年、家康は曳馬(ひくま)城と呼ばれていたこの城に入るが、7年後、曳馬が馬を引くという意味で敗北につながり縁起が悪いとして、浜松城に改称。17年間を過ごした。その後の家康の活躍から出世城とも呼ばれる。

再建された天守からは市街地が360度見渡せる

天守から見た市街の様子

[DATA]
住所:静岡県浜松市中区元城町100-2
アクセス:バスターミナル①⑮乗り場発のすべてのバス「市役所南」下車、徒歩6分
時間:8:30~4:30(浜松城天守閣)
定休日:無休
[公式サイト]

浜松市楽器博物館

アクトシティ浜松に隣接した日本で初めての公立楽器博物館。1995(平成7)年に開館した。1階にはアジアの楽器、地下にはヨーロッパや日本の楽器などが実際に並んでいて壮観。演奏の様子がビデオで流れていたり、ヘッドホンで音楽が聴けるなど楽器の音も確認できる。地下には鍵盤楽器のエリアもあり、その歴史や構造がわかりやすく展示されている。体験ルームでは世界の楽器の演奏を自由に楽しめる。楽器の総展示数は1500点ほどを数える。

市の複合施設の位置が博物館になっている

展示されている楽器の数と種類に圧倒される

[DATA]
住所:静岡県浜松市中区中央3-9-1
アクセス:JR浜松駅から徒歩10分
時間:9:30~17:00
定休日:毎月第2・4水曜日(祝日の場合は翌日、8月は無休)、12/29~1/3、展示替え、施設点検等の日
[公式サイト]

浜松科学館

JR浜松駅の南口を出て東へ向かい、街道を渡ると科学館の案内板がある。道にも案内の表示があり、それに沿って行くと新幹線の線路横に建つ浜松科学館に着く。一番の見どころは、2022年3月にリニューアルされたプラネタリウム。直径20mの大きさは県内最大を誇る。その日の浜松の星空や3ヵ月ごとに変わるテーマ解説が楽しめる「生解説プラネタリウム」とエンターテインメント性の高い映像が映し出される「大型映像」が自慢だ。

大人も子供も楽しめるアトラクションがいっぱい

[DATA]
住所:静岡県浜松市中区北寺島町256-3
アクセス:JR浜松駅から徒歩7分
時間:9:30~17:00(入場は16:30まで)、夏季の一部の期間(7月20日から8月31日)は9:30~18:00(入場は17:30まで)
定休日:月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
[公式サイト]

浜松で訪れたのはこちらの店

チキート浜松店

ヨーロッパの港町をイメージした店内

JR浜松駅から歩いて10分弱。アーケードが続く田町中央通りの一角に洒落た店構えが見えてくる。店内もちょっと凝った造り。「ヨーロッパの港町をイメージしたデザインです」と店長の櫻井智幸さんは言う。その雰囲気を楽しみつつも、さっきから池内の視線はオーブンに釘付けになっている。中ではチキンがこんがりとした色でゆっくりと回転している。同店自慢のロティサリーチキンだ。鶏の丸焼き、つまりローストチキンなのだが、ロティサリーオーブンという専用のオーブンで焼かれる。皮がパリッとして旨みとジューシーさが閉じ込められているのが大きな特徴となっている。

熱々のチキンをオーブンから取り出す

「見ているだけでも幸せな気分ですよ」と話す池内の前に、チキンが運ばれてきた。いつも店員さんが客の目の前で説明をしながらさばいてくれるという。櫻井さんがトングとハサミを持って、まず鶏の尾の部分を三角に切り取った。

店一番の自慢「ロティサリーチキン」

皮はパリパリ、肉はしっとり

「ここが焼き鳥で出てくるぼんじりですね」という説明に、池内は「ここですか」と感心している。その後、チキンがてきぱきとさばかれていくと、おいしそうな香りが立ち込め、肉汁があふれてくる。もう待てないといった表情で池内はチキンを食べ始めた。「皮はパリパリで、お肉はとにかくジューシーでやわらかです」それだけ言い残して、あとはハイボールとチキンの旨さの虜になったように食べ続けている。チキンはたまねぎやローズマリーなどのエッセンスを加えたソミュール液という塩水に2日間以上漬けておく。手間がかかる下ごしらえをしたチキンは45分以上かけてじっくりと焼き上げられる。「ハニーマスタードやチリパウダーをつけてもおいしいですよ」櫻井さんにすすめられて、試してみる池内。「あっ」と顔を上げた。「ハニーマスタードもチキンの脂によく合いますね」幸せそうな笑顔を見せる池内の前に、また料理が運ばれてきた。

あっという間にチキンが食べやすい大きさに

BGMも幸せな気持ちに

出てきたのは、峯野牛のタタキとシーフードパエリア。峯野牛とは浜松市北区の山中にある峯野牧場で育てられている牛のことで、高級牛として地元では知られている。「たれをつけなくても旨いです」と池内。パエリヤについても「米そのものもおいしいですし、魚介の味がしみていてうまいですねぇ」と絶賛しつつ、スプーンが止まらない。満足そうな池内がふと櫻井さんに尋ねた。「ところで、テーマパークのようなBGMがずっと流れていますね」「いつもそうなんです」と櫻井さんはにっこり笑う。「浜松にもテーマパークがあるって言われます」同店は8割が女性客だという。料理のおいしさが客を集めているのは当然だが、このBGMも一役買っているのかもしれない。「一番旨そうな手羽先は、手で持ってかぶりついていいですよね?」と言う池内に、櫻井さんは目を細めてうなずいた。楽しく明るいメロディーが流れる中、池内は手羽先をゆっくりと味わい続けた。

食材と地元愛についての熱い言葉をうかがいました

店主おススメの頂店ハイボールのアテ!

 ※値段はすべて税込み

〈おススメ①〉
ロティサリーチキン ホール   2178円

3~4人前。1~2人前のハーフ(1408円)もある。目の前でさばいてくれるのは、何よりの楽しみだ。焼き立てはもちろんのこと、時間が経ってもジューシーさが保たれていて、おいしい。確実に、しかもすぐ食べたいときは予約した方がいいが、焼きあがるのをながめつつ、45分待つ常連さんも少なくない。

鶏一羽まるごとのホールサイズ。チリパウダーやハニーマスタードソースと一緒に

〈おススメ②〉
峯野牛のタタキ   1518円

味が濃いのにあっさりと味わえる赤身は絶品。きれいな空気、静かな大自然の環境で育った峯野牛は、のびのびと育っていると牧場のHPに記されているが、それがこの肉質を作り上げている。たれはわりと濃い味だが、峯野牛の味はそれにも負けていない。知らない人には、ぜひ最初に味わったもらいたい一品だ。

肉の旨味をじっくり味わいたい

〈おススメ③〉
シーフードパエリア  1958円

2人前。佐賀県産の長粒米(インディカ米)をメインに使用していて、本場を超える米の味わいを実現している。タラ、ムール貝、ホタテ、アサリ、イカ、エビと魚介類が贅沢に使われ、そのだしが米にもよくしみ込んでいて、おいしい米をさらにおいしくしている。つまみとしても、シメとしてもうれしいメニューだ。

魚介がふんだんに入った贅沢なパエリア

池内取材メモ

お店名物の「ロティサリーチキン」がじっくりと焼き上がる様子を間近で見られる、カウンター席がおすすめです。外はパリパリ、なかは柔らかジューシーなチキンは「頂点ハイボール」との相性も抜群!

訪れた頂店

  • チキート 浜松店

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ジョッキで乾杯-左側 ジョッキで乾杯-右側 ビールの泡